2020/05/11

まあ、何事もチャレンジである

何年かぶりに地元の美容室で散髪をした。
非常事態宣言で、都内の行きつけの美容室が休業してしまったのだ。
リクルートのホットペッパービューティーで予約したので、予想以上の安上がりとなった。
その浮いた分で、ミルボンのヘアトリートメントを買ったのだが、私はそのラベルを見て驚いた。


ミルボンのヘアオイル「CRONNA」


コ、コロナ!?
なんか、いやな名前だな、、、気になって箱のうしろを見ると、コロナではなく、CRONNA(クロナ)と仮名がふってあった。


利根川河川敷公園


その後、利根川の河川敷公園を散歩。
ゴールデンウイークも明け、人が少ない。
非常事態宣言中の一時期、河川敷の散歩者がやけに増え、駐車場の出入口などは田舎の駅前より混雑しているのではないかというほどだったが、バブル相場と同様、異常事態は長く続かないものだ。
私はベンチに座って、のんびりした。
草野球の少年たちを眺め、美容室の待ち時間のために持参した読みかけの文庫本を開いた。


藤沢武夫「経営におわりはない」


藤沢武夫「経営に終わりはない」。
藤沢は、自動車メーカー「ホンダ」の創業者本田宗一郎の片腕だったビジネスマンで、まさに叩き上げ、という言葉が適する男である。
ホンダのサクセスストーリーと、その裏の生々しい駆け引き、主として後者を描いたドキュメントである。
ただし、ドキュメントに脚色や誇張は付き物で、生々しい記述も少し割り引いて読む必要はある。
出版社の本作りは商売で、書店で売るために出すので、ドラマチックなストーリー仕立てでなくてはならない。
全体の流れは重要で、その流れを助ける真実は脚色誇張されるが、その流れに不都合な真実はなかったことにされてしまいがちだ。
だがそれでも作者と編集者が譲れない部分があり、そこが何なのかというと藤沢の場合は「チャレンジ精神」である。
戦後間もない頃の日本人が持っていたチャレンジ精神、それを藤沢は描きたかったのだ。

私は30分ばかりこの本を読んだが、うちのママ殿にパンの買い物を頼まれていたことを思い出し、本を閉じた。
あまり遅くなるとパンが売り切れてしまう。
ホンダのサクセスストーリーよりも、今日のパンの方が重要だ。

河川敷から駅方面へ戻り、キヤノンの工場のそばのパン屋へ。
買いそこなうと怒られるのでとても急いだ。
路地を挟んでキヤノンの隣には、地元でも人気の「トロワフレーシュ」がある。
私は数個のパンを買い、ついでにラスクも買った。
こないだ、いちごジャムを手作りしたので、ラスクにジャムをぬったらおいしそうだと思って。
しかし、家に帰って試すとラスクにジャムは合わなかった。
ママ殿と、やはりラスクにはバターが合うよね、という話をした。


ラスクとコーヒー


自家製いちごジャム


自家製いちごジャム


自家製いちごジャム


時に直感やひらめきで行動してうまくいくこともある。
しかし、このように、うまくいかないことの方が多いだろう。
まあ、何事もチャレンジであるということで、人生でもこういう失敗はどんどんしていいのではないか。
人は何かをするとき、根拠や理由を知りたがるし、それがはっきりするまでは確信を持てないので躊躇する。
だが、そうではなく、直感やひらめきのままに行動する、それでいいのではないだろうか。