先週末、久しぶりに東京に行った。
土曜日は実家の墓参りと美容室、そのついでに銀座のギャラリーめぐりをした。
日曜日はワイン教室の友達Aさんと一緒に、国立西洋美術館、たばこと塩の博物館、浅草寺などを回った。
しかし、都内はどこも人が出ていない。
スカスカの都内にすっかり慣れたので不自然とは感じなかったのだが、、、
外国人観光客のいない浅草寺もそう。
日本人の私は驚くとともに、実は居心地が良かったりもするのであった。
近年の浅草は外国人観光客が殺到し、街の品位の悪化が問題となっていたからだ。
まあ、外国人観光客がいなくなって、少しは良いこともあったということではあるが、そもそもインバウンド需要に依存しすぎたビジネスは不安定でよろしくない。
今後は日本人の消費に頼るわけだが、この状況だと当分難しそうである。
これから数年間、供給サイドの大規模な縮小が起こり、長期的な経済の低迷が待っている。
いま日本人をターゲットにして新規の設備投資をするなどというのは、間違った経営判断だと思う。
いまは本当に、何もしないのが賢明。
最も賢明な経営判断は、果報(コロナ終息)は寝て待てではないが、自分の店だけしばらく店じまいしてコストを極限まで減らして、耐え抜くことだ。
1年先どころか3ヶ月先も見通せないのだからね。
今こそ、こういう冷徹(??)な経営判断を下すべきだが、多くの経営者はそれを避けているというか、まあ、第三者ではなく当事者なら自分の店がかわいいので、簡単に店じまいなどできっこないわけである。
しかし、老舗が店じまいをしたというニュースを最近よく見かける。
数百年続く飲食店の経験則からは店じまいが正しいのだろう。
もっとも、Aさんと立ち寄った浅草の天ぷら屋、上野のあんみつみはしは、どちらも日本人で非常に混雑しており、そこそこ繁盛しているかに見えた。
人間は食欲には勝てない。
なので、おいしい店には人が集まるのは理屈で、密なんて知ったこっちゃない。
とうとう飲食店の勝敗がハッキリと見えてきたようだが、今後どうなるのだろう。
ところで10日ほど前になるが、友人で、茨城県の片田舎で司法書士事務所を経営するW先生と久しぶりに会った。
ラーメン屋に行き、カウンター席で隣り合ってラーメンを食べた。
Wさんの話では、新型コロナウイルスはそれほど街の景気に悪影響を与えていない。
彼の住む田舎町では、多くの経営者が身の丈でビジネスをしているので、飲食と観光を除いては、ほとんど何の経済的被害も受けていない、いたって平和ということだった。
「都会の人は派手にやってるから、いざという時は、そういうことになるよ。」
「そうね、ハイリスクハイリターン。」
「都会の人は大変だろうが、うちの方はほとんど大丈夫。とにかく都会から感染者が来ないでほしいな。田舎の人にとっては、それが一番重要だ。」
「ホント、そうですよね!!」
私は、W先生の話を聞きながら、これって分断の始まり?と思った。
新型コロナウィルスの被害者は国民全員である。
いつまでも一部の業種だけを助けるのは著しい不平等となるので、今後政府は救済を中止ししていかざるを得ないだろう。
2度目の休業要請は、やはり厳しいのではないか。
となると、感染者の増加は甘受して経済を回していくことになるのかな。