最近、桜がきれいだ。
市内のあちこちで満開の桜を見かける。
こういう状況なので、今年のお花見は近所の散歩がてらでも十分だろう。
酒盛りをしなければ、お花見は無料の年中行事。
桜の木の下でブルーシートを敷き、飲み食いするとなると、酒盛りに夢中で桜の花などまともに見ない。
花を見ることをお花見というのなら、酒盛りをしない今年の方が、本格的なお花見である。
お花見散歩の途中、喫茶店に立ち寄り、コーヒーを飲みながら1時間ばかり読書をした。
その後は、少し遠回りをし、利根川の河川敷公園を散歩した。
堤防の方を見上げると、空がきれいだった。
私はスマホを空に向け、何枚か写真を撮った。
空の写真を撮るなんて生まれて初めてのことだ。
なんてきれいな空だ、と思う反面、自分は自由の身だなあ、とも思った。
写真には堤防のサイクリングロードを、駅の方へ突っ走る自転車が映り込んでいた。
彼は空を眺める余裕がないが、きっと出勤の途中なのだ。
どちらが幸せな人生なのかはよく分からない。
しかし、空に比べると、私たちはあの自転車の彼のように、本当にちっぽけな存在である。