2021/12/27

奥田雄太展示会(1)2021年ギャラリーめぐりの締めくくり

資生堂美容室⇒奥田雄太展示会(石川画廊)⇒ABCクッキング丸の内

今年最後の週末である。
毎年恒例の、散髪、展示会、料理教室にいってきた。
普段ならここに湯島天神の終わり詣も含まれるが、すでに終わり詣は済ませたので、散髪前に重要な用事を入れていた。
が、電車の大幅な遅延で、その予定は変更となった。
そのため私はお昼ごろ直接美容室へ行き、散髪が終わったのは14時近く。
その後は、資生堂ビルのすぐ近くの石川画廊へ。
最近知り合ったアート友達Iさんのおすすめで、奥田雄太さんの個展を見るためである。


石川画廊、奥田雄太


すずらん通りの雑居ビルの1階、こじんまりとした画廊、この日は最終日で奥田さん本人が在廊していた。
奥田さんの作品は花柄の素敵なものばかり、しかも一見して女性の作風である。
私は、目の前のこのお兄さんが本当に??と思った。
早速、そのまんまの質問をぶつけてみると、私はこう見えてもメンタルは強くない、内面はこの絵のイメージなんです、との答え。
確かに奥田さんと話していると上品な感じがするので納得。
話しながら15分ほど作品を見てまわり、最後はブルーの作品(私のお気に入り)の前で記念撮影。
それから、ふと思ったのだが、私の大好きな水野里奈さんの絵と何となく雰囲気が似ている、そのことを奥田さんに話すと水野さんと同じギャラリー(ミヅマアートギャラリー)に所属しているとのこと。
そこから水野里奈さんの展示会のことにも話が及んだ。


石川画廊、奥田雄太


石川画廊、奥田雄太


それにしても奥田さんの個展、私の2021年のギャラリーめぐりの締めくくりとして、ふさわしかった(つまり、いやされた)。
そもそも私は美術の専門家ではなく、初見では分かりにくい作品もよくあるのだ。
しかし、奥田さんの作品は予備知識も解説も一切不要、初見でも直感的にイイ、と思えるものである。


クリスマス料理、牛肉のハンバーグ


さてこの後の予定だが、、、有楽町のビックカメラで買い物をした後、国際ビルのABCクッキングに行った。
今年最後のABCクッキング、こちらの締めはどのようなものになるのだろう、と思って。
本日のメニューは、牛肉の赤ワイン煮込み。
そういえばクリスマスは家で、以前東京会館で習った若鶏のフライ(マリラン風)を自分で作る予定だったが、私の帰宅が遅かったため、うちのママ殿が牛肉のハンバーグを作っていた。
そのため、2日連続の牛肉メニューとなる。


ABCクッキング、牛肉の赤ワイン煮込み


ABCクッキング、牛肉の赤ワイン煮込み


この日の朝、私は急いで適当に選んで予約を入れた。
丸の内教室はよく知らないし、E先生は初めてであるが、E先生はあのK先生よりも美人!!
そもそも初対面の女性はミステリアスである。
しかし、E先生は予備知識も解説も一切不要、初対面でも直感的にイイ、と思えるのである。
料理の先生は「愛と平和のいやし系美人」であることが多いが、これもまた、2021年の締めとして、ふさわしかった(つまり、いやされた)。


ABCクッキング、牛肉の赤ワイン煮込み


帰宅後、私は、この日のことをワインの師匠T先生と、Sさん(例のピュリニーモンラッシェなどを言い当てるワイン通の女性)に報告した。
T先生とSさんは、私の相談役(お姉さま)でもあるのだが、早速、先生からメールが。

「なかなかアグレッシブな生き方、良いと思います。」

なるほどね~。
先生、来年もがんばります!!

2021/12/24

わたしのワインの先生(3)似たものどうし?

おととい私は、渋谷で用事を済ませた後、日本酒をひっかけるため、銀座線で虎ノ門に行った。
虎ノ門の日本酒情報館、外堀通りを少し歩くと日本酒情報館の赤い看板が見える。
夕方からワイン教室があるのだが、、、その前に日本酒をひっかけてからいこうという飲んだくれのプランである。
今からそれを1人で実行に移す。
実は2週間前、西麻布の忘年会で、ワインとワインの間に富山の銘酒「満寿泉(ますいずみ)」が出された。
これが非常においしかったので、なんだか私はワイン講座の前に日本酒をひっかけたくなったのだった。




しかし、飲む前にトイレに行きたくなって、私は店員にトイレの場所を聞いた。
1階には普通のトイレ設備がなく、2階は他社のオフィスである。
いまは新型コロナウィルスの感染リスクがあるためなのか、すぐそこの身障者用のトイレを使ってください、と言われた。
私は情報館の入口の目の前にあるトイレの扉の前に立った。

あれ、おかしいな、、、
大きなドアを何度か押したり引いたりしてみたが開かない。

その場で少し悩んだりしてから、身障者用トイレは車椅子の人のために引き戸だということを思い出し、ようやく中に入れた。

なあんだ、横にあければいいのか、、、汗。

ドアがやや長方形で、横にあけるようには見えなかったのだ。


日本酒情報館


その後、私は情報館に戻り、30分ほどでテイスティンググラスを3つあけ、飲むのを切り上げ、また銀座線に乗り、T先生のワイン教室に行った。
この日はクリスマスシーズン。
特別に、5種類の赤ワインに加え、スティルトン、シュトレン、えびせんのようなものがおまけで付いた。


赤ワインテイスティング


ワイン教室後は、忘年会も兼ねたアフターの飲み会、予約していた日本橋丸善の裏の「cave de ワイン県やまなし」へ。
caveとは洞窟のほかに、ワインの地下貯蔵庫(ワインセラー)の意味もある。
店名のとおり、古い洋館の地下室の雰囲気で、木の扉を開けるとその向こうは、ワインセラーを模したワインショップになっていた。






cave de ワイン県やまなし


ここはご当地レストランで、メニューのワインも食材も山梨県産に限定されている。
ほうとうカルボナーラ、鹿肉ハンバーグなど、山梨のユニークな料理もいくつか出てきたが、サーモンに添えられたイワナのイクラが珍味だった。
ワインについては、ショップで買ったものを持ち込み料1000円で持ち込めるので、スパークリングで乾杯の後、早速、先生と私でワインを選びに行った。
先生は私に、好きなものを選んでいい、という。
だが、私は日本のワインにさほど詳しくないため、マスカットベイリーA以外、地場品種については品種特性がピンとこないのだった。
しかし、さすが先生はワインのプロフェッショナルである。
ラベルを見るだけで次々とコメントと良い悪いを即答していき、私たちはショップの主要な棚を、ものの数分で見事に制覇してしまった。


勝沼、甲州


結局、先生のすすめで、赤はメルロー、白は甲州を選んだ。
そのほかのワインは、店内のワインリストから頼んでいった。
日本のワインは価格負けしているものも多いが、先生が選んだのはどちらも、価格に見合っており、おいしいワインだった。
ああ、やっぱり、先生はすごい人だなあ、、、私は改めて先生を尊敬してしまった。
ただし、ワインを前にするとこれほどまでに頭脳明晰な先生も、ワイン以外のこととなるとかなりの天然キャラなのである。
実は、先ほどのレストランの入口の扉をあけるときもそうだった。
先生は入るときに一生懸命手前に引いていたが、、、正解は引くのではなく、ガラッと開ける引き戸だったので。

なによコレ、横にあければいいのね。

先生の真後ろで私は、目の前の出来事がとても他人事とは思えず、かける言葉が見つからなかったのだが、たぶん先生もドアの形状を見て、まさか横にあけるとは思わなかったのだろう。
しかしそれにしても、この一件から分かるように先生と私は、似たものどうしのような気もするのである。
お酒好きでもお酒には弱い方である。
飲み会では他人より多く飲み食いしないため、いつもワリカン負けをする。
ワイン好きだが甘党で、途中の本格的なワインよりも、最終のアイスワインを飲んで最も満足していたように思う。
また、おでん屋で飲む場合、おでんの具材で最も好きなものは、どろどろのちくわぶ、こんなところまで同じとは。

あら、いやだわ、師匠と弟子というのは、こんなにもよく似るのかしらねえ、、、

まあ、敬愛する師匠と似たものどうしなのは、弟子の私としては、まんざらでもない気分なのだけど。

2021/12/23

WATOWA GALLERY、偶然の再会



もうすぐ2021年も終わりだ。
今年はいろいろなことがあったなあ、、、良いことも悪いことも。
そう思いつつ、12月はいろいろ買い出しがあるので、この日はせっせと秋葉原で買い物をした。

そのついでに坂の途中の神田明神まで足を伸ばし、商売繁盛を祈願。
また、いつものように御守りをいくつか購入した。

その後は上野広小路方面に歩き、アーツ千代田に到着。
ここは廃校になった小学校の建物を改装したアートセンターである。




校舎内に入ると学校の独特の冷たさと不気味さを感じる。
私はまず、ここはホラーっぽい展示会が向いている、と思った。
では実際どうかというと、アーティストの倉敷安耶(Aya Kurashiki)さんが「そこに詩はない。それは詩ではない」というアヤしい展示会をしている。
黒いパンフレットを見ると、何やらホラーっぽい内容のようである。

私は少し緊張して会場へ向かった。
会場はmyheirloomという2階の小部屋で、非常に狭いところだった。
彼女の展示会は、プライベートな内容のもので、2匹の愛犬の死を題材としていた。
そこには、彼女の深い悲しみ(ペットロス)と怒り(拒絶)の世界が表現されていた。








数日後。
私は渋谷に用事があったが、用事が済んでから宮益坂を上がった。
住宅街の中にある小さなギャラリー「WATOWA GALLERY」には12時頃に到着。
先ほどの倉敷安耶さんのほか、何人かの気になる若手アーティストが作品を出展しており、チョット見に来たのだった。
だが、こないだのアーツ千代田の展示会のこともあるので、最も気になっていたのは彼女の作品であった。


WATOWA GALLERY


WATOWA GALLERY、御村紗也作品


まずはギャラリーの1階の作品から鑑賞。

おや??
この絵は御村紗也(Saya Mimura)さんではないか。

彼女の作品は、先日、渋谷西武の美術画廊で見たが、透明感のある素敵な絵である。
その後、女性職員に倉敷さんの作品の場所を聞くと、2階の部屋に展示されているというので、私は玄関の外のらせん階段をのぼった。
2階の展示室に入ると、1人の中年男性が、静かにじっと1枚の絵を眺めていた。

おや??
彼は確か、、、先ほど1階で女性職員にいろいろ絵の質問をしていた男性だが、ちょうどいい。
鑑賞の邪魔をして悪いが、彼に頼んで、私と倉敷さんの作品との記念写真を撮っていただこう。
まあ、テキトーに話しかけてみるとしよう。


倉敷安耶作品


倉敷安耶作品


「写真、どうもありがとうございます。」
「いえ。」
「あのう、失礼ですが、、、」
「なにか?」
「人違いかもしれませんが、先週あなた、西武の美術画廊にいらっしゃいませんでしたか??」
「えっ!? 確かに、いましたけど、、、」
「やっぱり、同じ方でしたか!!」
「するとあなたも? 西武画廊は、いつだっけなあ、、、展示替えの翌日かな。」
「ええ、その時にお見かけしたと記憶します。」
(派手な絵柄のマスクをさわって)「ああ、もしかして、この派手なマスクのおかげかな。」

その後、いま記念撮影したばかりの倉敷さんの作品の話題になった。

「あの日、私は西武に倉敷さんの絵を見に行ったのです。でも、うっかりして、展示期間を間違えまして。展示替え直後で彼女の絵はありませんでした。」
「それで今日ここに?」
「ええ、まあ、、、」
「あなた、倉敷さんのお知り合いの方ですか??」
「ま、まあ、そうですけど、、、」
「ああ、それじゃ、倉敷さんの絵を見れなくて残念でしたね。」
「いや、実はすでに、こないだお友達と一緒に見に来てまして。だから2度目です。」
「な、なるほど。。。アッ、すごい!! この方の絵がグランプリなんですね。」

今回の共同展示会の作品は、ギャラリーの関係者(審査員)の採点によりランキングされており、倉敷さんがトップということを聞いていた。
確かに、彼女の点数が154.5点でトップであった。


倉敷安耶作品


「すみません、今度はあなたのこともお聞かせ願えませんか?」(と私)
「いいですよ。」
「単刀直入に伺います。あなたってアート業界の人?」
「いえ、シロウトです。ふだんは会社員やってます。でも、まあ、休日はいつもギャラリーめぐりをしてますけど。」
「ということはマニアですね。それに、あなたって芸能人みたいにおしゃれだもの。本当は何者ですか?」
「いや~、何者って言われても困るなあ。私は美術評論家でもないし、ただの庶民です。そういうあなたこそ、何者ですか?」
「私もあなたと同じシロウト、ただの庶民です^^」
「本当に?」
「本当です。だいたい今日のお昼ごはんだってね、ラーメン屋で一番安いラーメンを食べてきました。」
「へ~、私もさっきまでそこのオープンカフェで安いサンドイッチを食べてました。」
「ほう。」
「画家の渡辺さんと2人でサンドイッチを食べながらずっと喋ってましたよ。」
「お~、アーティストと一緒に渋谷でランチなんて、あなた、しゃれてますね~。やっぱり、あなた、すごい人なんですね。」
「いや~、まあ、ええと、、、私と一緒にいたのは渡辺涼太さんです。ご存知ないですか??」
「渡辺涼太さん、知らないなあ、、、」
「まだ芸大生ですが、注目の若手アーティストです。あとでストーリーズに、渡辺さんの作品をアップしますから、よかったら見てください。」
「分かりました。ああ、それなら私もインスタをやってるから、名刺交換ではなく、インスタ交換でもいいですか。」

最近はSNSのアカウントがある人どうしなら、名刺交換はせず、SNS交換で済ませている。
あとでインスタで話しましょうということになり、私は彼(Iさん)と別れてギャラリーをあとにした。
そして銀座線の渋谷駅から虎ノ門へ。
外堀通りを歩き、赤い看板の日本酒情報館のビルに入った(2021/12/23「わたしのワインの先生(2)」へ続く)。

2021/12/22

私の書いたことが本になるなんて(1)

今日は、金融商品の価格分析の方法(テクニカル分析)の認定資格試験を受けてきた。
正式には、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリストという資格試験である。
試験会場は新御茶ノ水ビル、ここは私の主治医の井上眼科のあるビルであるが、千代田線新御茶ノ水駅直結なので迷いようがない。
ただ念のため、3時間以上早めに自宅を出た。

以上は、2020年1月のブログに書いたことである。

幸運にも私は、この試験に合格できたが、実は11月14日、この試験の上級資格試験を受けてきた。
正式には、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリストCertified Financial Technician(CFTe®)という資格試験である。

10~11月の私は、分厚いファイルに自分で作った論文試験問題を100問ほど綴じ込み、これを持ち歩いてひたすら暗記をしていた。
この試験、私にはなじみのない銀行証券業界人向けのマニアックなものである。
論文(小論文)形式なので暗記事項がたくさんあるのだ。

11月14日、大手町で本試験。
電車が止まるとまずいので、試験当日は早めに家を出た。
午前中は、試験会場近くの喫茶店を数件回り、直前の追い込み。


日本橋高島屋、パスカルカフェ




試験では3時間にわたり、ひたすら小論文と投資レポートを書いた。
鉛筆を持つ手が痛くなった。
ああ、疲れた、、、
試験でこんなに気力体力を使ったのは何十年ぶりだ。

そして数日前、ついに合格発表があった。
おそるおそる協会のホームページを見ると、合格者の中に、私の受験番号があった!!
とにかく、無事、合格。
ああ、よかった~~♪♪(*'ω'*)




ところで、もうひとつ、すっかり書き忘れていたことがある。
私が去年末、日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)に寄稿した投資分析の研究論文の話である。
先ほど書いたとおり、去年1月に日本テクニカルアナリスト協会の試験に受かった私は、せっかく資格を取ったのだから記念に1本、何か書きたくなった。
コロナ禍の外出自粛で、論文を書く十分な時間もあった。

3月、協会の論文審査委員長のNさんから連絡があり、5月になると担当編集者からゲラが届いた。
「ゲラチェックをしてください」とあったので、私は最初、「ゲラって何だろう?」と思った。
ここでは、私が書いた論文が作家の原稿にあたるわけだが、ゲラとは作家の担当編集者が起案した編集者版の原稿のことだ。
通常、本や雑誌のフォーマットに従って作られるものなのだが、誤字脱字の修正をしたり、字数制限や段落分けの都合上、編集者が文章に少し手を入れることもある。
そのため、そういったことも含め、内容に問題がないかを作者が最終確認する必要がある。
つまり、ゲラチェックをしてくださいというのは、先生自身で校正してください、ということである。
そしてゲラチェック後は、あとは本になるのを待つだけなのだが、私の場合、そこからが非常に長く、約5ヶ月も待った。
編集部も印刷会社も、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言の長期化で、業務が停滞したり、様々な苦労があったようだ。
が、その間、私だって本当に本ができあがるのか心配だったし、うちのママ殿は私よりもそのことを気にしているようだった。

「本はいつできあがるの??」
「編集部に聞いたら、もう少しだって。」
「もう少しもう少しって、あんた、ずっと同じこと言われてるじゃないの。」
「そうだけど、、、」
「あんたの書いた論文が本に載るなんて、話がうますぎるのよ。」
「まあ、そうなんだけど、、、」
「ねえ、それって、うそなんじゃない!?」
「えっ??(*'ω'*)」
「実は、その編集部は本を作ってるふりをしてるんじゃないの??」
「いや~、さすがにそれはないと思うけど、、、」
「どうしてよ??」
「「会社四季報」で有名な東洋経済の編集部の人なんだから。そこの編集長が、いま作ってますと言うんだから、間違いないと思うよ。」
「ふ~ん、どうかしら。「会社四季報」なんて私は知らないわ。」
「・・・・・・・・・」(まあ、投資をしない女性は、ふつうは知らないか)

そんな感じで夏が過ぎ、ようやく先月のこと、高島屋で買い物をして帰宅すると、他の郵便物と一緒に書籍の束(執筆者は見本をもらえる)が家の玄関に置いてあった。




「届いたみたいよ。」
「おお!!」
「あとで見せなさい。それに、何冊もあるなら、、、私も1冊、ほしいわね。」
「まさか、読むの??」
「読みません。専門家じゃあるまいし、読んでも分かるわけないでしょ。」
「そ、そうだよね、、、」
「おやつにしましょう。高島屋でどこのケーキ買ってきたの??」
「アンリシャルパンティエのチョコレートケーキ。」
「あら、おいしそう。すぐ紅茶を入れるわ。」

予定よりだいぶ遅れていたので、ママ殿も私も、無事できあがってホッとした。
今回は専門家向けの論文であるが、次は、一般向けの書籍でも書いてみたいものだ。


アンリシャルパンティエのチョコレートケーキ

2021/12/21

若鶏フライ マリラン風







クリスマスはどんな手料理を作ろうか。

思案しましたが、以前日比谷の東京会舘の料理教室で教わった「若鶏フライ マリラン風」を作る予定です。


実は意外と簡単に作れます。

でも「マリラン風」ですからおしゃれです。

2021/12/19

湯島天神、恒例の終わり詣(2021年)

12月17日は恒例の湯島天神の終わり詣に行った。
本当は幸先詣というそうだが、私はその言葉を知らない頃から勝手に終わり詣といって年末閑散期の参拝を楽しんでいた。
幸先詣との違いは、去年のブログで説明したとおりである。
つまり、来年の幸せ(ご利益)を先に祈願するのが「幸先詣」、私の終わり詣は今年の無事を感謝するためのお詣り、である。


湯島天神


湯島天神


境内は、幸先詣の赤いのぼりを除いてはいつもと変わらぬ落ち着いた雰囲気。
今年も御朱印を書いてもらい、庭園を散歩したが、用事の途中なので早めに門を出た。
例年だと向かいの湯島合同庁舎に行き、敷地内の近現代建築資料館にも立ち寄るのだが、この日は立ち寄らず、上野広小路まで歩いた。
年末の買い物客で、上野広小路の交差点は人通りが多く、失われた日常がだいぶ戻ってきていると感じた。
私は松坂屋の隣のあんみつ屋へ、あんず+クリーム+白玉+あんみつを食べた。
が、スマホを眺めながらのんびり食べていたらクリームがとけてしまい、途中から、あんずとみかんの見分けがつかなくなってしまった。


あんずクリームあんみつ白玉トッピング


食べ終わり、あんみつ屋を出た後は上野広小路駅から銀座線に乗り、地下鉄を乗り継いで麻布十番駅へ。
所用を済ませ、帰りは半蔵門線で三越前駅へ。
時計を見るとまだ16時前。
これから私は半蔵門線から銀座線に乗り換え末広町(秋葉原)に行く予定であるが、その前に、外に出て駅前の福徳神社でおみくじを引きたくなった。
湯島天神でおみくじを引こうと思って忘れていたので、その代わりである。


福徳神社おみくじ


さて、年末の運試しはどうだろうか。
あれ??
でも、これは、、、何たる偶然!!

私はこの日、前回11月のときに引いた十八番をまた引いてしまった。
風が強いのでその場では開封せず、ポケットに入れたまま帰宅したが、家でおみくじを開けると、なんと、なかみの文言まで全部同じなんだけど、、、


福徳神社おみくじ


<今回の大吉>
願望 不安に思うことはあれど後にかなう
仕事 今は控えた方がよい
金運 大きな利益あり
勝負 今は不利、待てば勝ちます
恋愛 長い目で見よ
転居 急がぬ方がよい

これはおみくじ業者の手抜きということではなく、実に興味深いことである。
つまりこれは、11月当時と同様、引き続き「俟つ」べきであるという天の啓示だ。
もっとも、「俟つ」とは、何もせずにじっと待つ、という受け身の意味だけではない。
「俟つ」には、準備を整えるという能動的積極的な側面もある。

今はまだ、急がず、じっくり俟つほうがいい。
そう、何事も。
俟つというのはなかなか難しいものなのである。


塩野七生マキアヴェッリ語録


最後に。
以前引用したマキアヴェッリ語録に、マキアヴェッリのこんな言葉があったので、書き留めておこう。

なにかを為したいと思う者は、まずなによりも先に、準備に専念することが必要だ。機会の訪れを待っての準備開始では、もう遅い。幸運に微笑まれるより前に、準備は整えておかねばならない~好機というものは、すぐさま捕まえないと、逃げ去ってしまうものである(戦略論・塩野七生マキアヴェッリ語録)

2021/12/16

何かの用事って、何の用事?

不動産会社の部長Fさんと私は、2年ぶりに渋谷で再会を果たした。
コロナ禍の2021年12月14日のことである。
私たちは2020年2月、新型コロナウィルスが蔓延する直前、都内のビジネスイベントで知り合った(2020/02/06「中目黒散歩」、2020/02/12「北村明子さんのフランツリスト「歌の本」」)。
その後は長期の外出自粛で、何度かランチの約束をしたものの果たされることはなく、私たちはLineやZOOMで細々とやりとりを続けた。
しかし、それがかえってよかったみたいで、ビジネスの場で知り合ったのに、いつのまにか私たちは気さくにプライベートなことを話すようになったのだ。
そして2021年12月14日、私たちは約2年の時を経て、渋谷KOEホテルで再会を果たした。

再会のきっかけは、渋谷KOEホテルの倉敷安耶(Aya Kurashiki)さんの展示会であった。
私は彼女の展示会に誰かと一緒に行こうと思って何人かにお声がけしたのだが、意外にも、アートなんて興味のなさそうなFさんが興味を示し、見に行きますと言った。
Fさんの不動産会社は東京駅近くにある。
テレワークで出社なんてほとんどしないと言っていた。
しかし、よく分からないのだが、「12月14日は何かの用事があるのでOKです」ということだった。


アート村工房、パソナビル


この日、私は早朝に家を出て、渋谷に行く途中、東京で用事を済ませた。
帰りに東京駅前のパソナビルに寄り道をし、エントランスホールのアート村工房という店でパウンドケーキのセットを買った。
アート村工房は障がい者支援施設が経営する雑貨屋である。
雑貨や絵画のほか、菓子類もあって、なかなか好評のようである。
店を出て入口の立て看板を見ると、障がい者アートについて説明があった。
私は立ち止まって読んでみた。


アート村工房


「才能に障害はない」、ほうほう、なるほど。
才能というのは、障害があることで、かえって伸びたりすることもあるのかもしれない。
例えば、目の見えない人の持っている感性の鋭さである。
また、才能を魅力という言葉に置き換えることも可能だと思う。
つまり、魅力は障害と無関係で、障害があることで、かえって魅力的な人であったりもするかもしれない。

それにしても、障がい者アートというと、以前100円ショップのダイソーの店内で、チラシを見かけたことがある。
これって、最近のトレンドなのだろうか??

ああ、思い出した。
これって、以前受講したアートマネジメントの研修で出てきた話だ。
「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」というのが最近できて、その影響(助成金など)もあるのではないか。

第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、文化芸術が、これを創造し、又は享受する者の障害の有無にかかわらず、人々に心の豊かさや相互理解をもたらすものであることに鑑み、文化芸術基本法(平成十三年法律第百四十八号)及び障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号)の基本的な理念にのっとり、障害者による文化芸術活動(文化芸術に関する活動をいう。以下同じ。)の推進に関し、基本理念、基本計画の策定その他の基本となる事項を定めることにより、障害者による文化芸術活動の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって文化芸術活動を通じた障害者の個性と能力の発揮及び社会参加の促進を図ることを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「障害者」とは、障害者基本法第二条第一号に規定する障害者をいう。
(基本理念)
第三条 障害者による文化芸術活動の推進は、次に掲げる事項を旨として行われなければならない。
一 文化芸術を創造し、享受することが人々の生まれながらの権利であることに鑑み、国民が障害の有無にかかわらず、文化芸術を鑑賞し、これに参加し、又はこれを創造することができるよう、障害者による文化芸術活動を幅広く促進すること。
二 専門的な教育に基づかずに人々が本来有する創造性が発揮された文化芸術の作品が高い評価を受けており、その中心となっているものが障害者による作品であること等を踏まえ、障害者による芸術上価値が高い作品等の創造に対する支援を強化すること。
三 地域において、障害者が創造する文化芸術の作品等(以下「障害者の作品等」という。)の発表、障害者による文化芸術活動を通じた交流等を促進することにより、住民が心豊かに暮らすことのできる住みよい地域社会の実現に寄与すること。
2 障害者による文化芸術活動の推進に関する施策を講ずるに当たっては、その内容に応じ、障害者による文化芸術活動を特に対象とする措置が講ぜられ、又は文化芸術の振興に関する一般的な措置の実施において障害者による文化芸術活動に対する特別の配慮がなされなければならない。
(国の責務)
第四条 国は、前条の基本理念にのっとり、障害者による文化芸術活動の推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
(地方公共団体の責務)
第五条 地方公共団体は、第三条の基本理念にのっとり、障害者による文化芸術活動の推進に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。
(財政上の措置等)
第六条 政府は、障害者による文化芸術活動の推進に関する施策を実施するため必要な財政上の措置その他の措置を講じなければならない。


渋谷西武百貨店美術画廊


東京駅から山手線で渋谷駅へ、20分ほどで着いた。
約束の時間まで30分以上あるので私はとりあえず西武百貨店の美術画廊へ。
ここは11月末に来たばかり。
そのときは倉敷さんの絵もあったのだが、すでに展示替えとなり、同じ場所には別の作家の作品があった。

私は奥の広い部屋へ。

おや、まだ早い時間なのに私以外にも客が1人いる。
特徴的なデザインのマスクをした中年男性であるが、ひとつひとつ熱心に展示作品をチェックしている。
おしゃれな服装だし、アーティストか、美術評論家か、マスコミの人か。

そのうち彼は、女性店員にいろいろな質問をし始めた。
あの出っ歯のキャラが、彼のお気に入りなのかな、、、




そろそろ時間なので坂の上の交差点のKOEホテルへ。
Fさんは1階のカフェで待っていた。
別に懐かしがる間柄でもなく、男どうし簡単な挨拶を交わして2階に上がった。
広々とした服屋の一角に小規模のギャラリースペースがあり、そこでブルーピリオドの共同展示会をしているのだが、1階のカフェはほぼ満席なのに、2階の服屋は客が誰もいない。






2人で絵をバックに記念撮影をした。
その後、窓の外の渋谷の景色を眺め、この物件のことを話した。
しかし、先ほどから彼はこの物件のことばかり気にしていて、飾ってある絵には興味を持っていないことが明らかだった。
それならば、なぜ誘われて来たのだろう。
そういえば記念写真を撮ってくれたとき、倉敷さんの絵が一番素敵ですね、と私に言っていた。
が、彼がその絵をじっくり眺めた気配はなかったように思う。

その後、私たちはホテルを出て、渋谷駅に戻り、反対方向へ。
Googleマップを頼りに、マークシティ近くの超人気店ラーメンはやしを目指した。
男2人なら、昼食は気兼ねなく、ラーメンで決まり!!ということだ。
私は行列のできる店は敬遠するが、ここは数少ない例外である。
寒い中、昼休みの会社員と学生に混じって列に並び、かれこれ30分近く待った。

う~ん、いつもと変わらない味で、とてもおいしい。
ふたりとも無言で食べ、10分ほどで食べ終わって店を出た。




「Fさん、30分並んだかいがあったのでは??」
「ええ、おいしかったです。」
「でも、これだけ客が待っているんだから、あんな狭い店ではなく、広いところに引っ越してくれるといいのに。」
「渋谷は家賃が高いんですよ。」
「どれくらいですか??」
「う~ん、坪単価、どれくらいかなあ。建物にもよるから、、、」
「これからどうします??」
「お昼を食べたので、コーヒーでも飲んで帰ろうかな。」
「もう帰るの?? 遠くから来たのに、早すぎない??」
「そうかな。」
「何か用事があるの??」
「いや、特には。」
「じゃあ、これから六本木のスタバにでも行きませんか??」
「いいですよ。」
「ああ、そうだ。Fさんに、おみやげがあったんだ。」
「なに? おみやげなんて、いいのに。」
「これ、パウンドケーキです。食べきれないから、Fさんの家の人数分、箱から取ってください。4つくらい持っていきます??」
「いやいや、うちは家内と私の2人だから2つで十分。」
「そうでしたっけ。うちも母と私の2人だからなあ、、、買い過ぎましたね。」


アート村工房のパウンドケーキ


その後、私たちは電車を乗り継ぎ、六本木へ。
六本木ヒルズのスターバックスで30分ほどくつろぎ、いろいろな話をした。
それは主に仕事の話、不動産の話だったが、Fさんはコーヒーを飲み終えると、片付けたい仕事があるから帰りたい、と言い出した。
何だかとても急いでいる様子なので、私は引き止めなかった。

私も今日は早く帰ることにして、一緒にスターバックスを出ると六本木駅の改札まで早足で歩いた。
日比谷線の改札口であっさり別れたが、私は駅のホームを歩きながら、なぜ彼はわざわざ見に来たのだろう、と考えた。
きっとFさんは、今日何かの用事があるから東京まで来ると言ってはいたものの、実は仕事(在宅ワーク)で多忙の最中だったのだ。
たぶん彼は、この絵を一目見るためだけに東京まで来てくれたのではないか。




2021/12/14

彼女はスターバックスナンバーワン

便りがないのは無事な証拠であるが、忘年会ができるのもまた無事な証拠である。
去年できなかったことが今年できるようになったのだから、世の中も自分も去年よりは進歩しており、その点でも今年は良い年だったと思う方が前向きでいいだろう。
この日は西麻布で忘年会があり、その前に用事が済んだのはお昼過ぎだった。
地下鉄を乗り継ぎ溜池山王駅へ。
朝のコーヒーを飲んでおらず、私はアークヒルズのスターバックスに寄り道をした。
ここはスターバックスリザーヴの店である。
私はレジで、新発売の「ザンビア」のハンドドリップを注文した。
スタバは数ヶ月ぶり、財布の中のいつもの場所にスタバカードが見当たらず、私はあわててスイカで支払った。


スターバックスリザーヴ、ザンビア


アークヒルズスターバックス


店内のインテリアはほとんど変わっていない。
たぶん、ここに来るのは約2年ぶりだ。
サイフォンのあるカウンター席に座ると、私と同年代の女性バリスタ(Kさん)が奥から出てきて、早速ザンビアの説明を始めた。
以前はここで、学生や20代の店員にコーヒーをいれてもらっていた。
私は、ほとんどの人が入れ替わったなあ、と思った。
このバリスタの女性に、コロナ禍のあいだ、何があったのか聞いてみよう。
コーヒーをいれながら、Kさんは私にいろいろと話してくれた。
さて、以前ブログ記事に登場したCさん、彼女はいまどうしているだろう、、、
Cさんとは、3年前私がスターバックスの将来のバリスタチャンピオンと見込んでいた若い女の子のことである。

「Cさんはいますか??」
「彼女はもうここにはいませんよ。彼女はいま、六本木ヒルズの店長です。」
「あ、それって、もしかして、、、」
「はい、栄転です。彼女はいまのスターバックスでナンバーワンのバリスタです。」

私はKさんからCさんの大出世の話を教えてもらった。
詳細はスターバックスのウェブサイトの2021年アンバサダーの紹介記事(リンク)で確認できるが、要するに、私の予測が的中したのである。
私がすごいのではなく、Cさんがすごいのだが、寄り道をして、いい話を聞くことができて、よかった。
3年前、ちゃっかり、サインをもらっておいて大正解!!

その後、溜池山王駅に戻り、南北線で麻布十番駅へ。
私は、駅から歩いてすぐの交差点にある麻布十番パレットギャラリーを訪ねた。


麻布十番パレットギャラリー、島田精治


麻布十番パレットギャラリー、宇野亜喜良


「文学とアートの出逢い」というオシャレな装幀画の共同展示会である。
友達の友達の画家(島田精治さん)が出展しており、散歩がてらに寄って見てはどうか、と言われたので、そうすることにした。
1人1点の展示、小ぢんまりとしたギャラリー、なので管理人の女性と作品や画家の話をしながら間近で見ることができたが、これらの装幀画はオリジナルの装幀画とは異なる画家独自のものである。
私は島田さんとは面識がないので、管理人の女性に島田さんのことを聞いてみた。

「島田先生の作品はユーモアがありますね。やっぱり、ご本人もそういう方なのかな。」
「ええ。いかにも芸術家という感じの純粋で、おもしろい先生ですよ。お会いしたことないんですか??」
「まだ、ないんですよ。」
「つい先ほどまで島田先生、お友達と一緒に在廊されていましたよ。」
「へえ、惜しいな、入れ違いか、、、」

なるほど、もしスタバに寄り道をしていなければ会うことができただろう。
しかし、スタバに寄り道をして、いい話を聞けたので、それほど残念とは思わなかった。
入れ違いはよくあることだし、縁があれば次の機会に会えるだろう。
さて、もうそろそろ出ようかな。
まもなく子供連れの主婦と高齢の男性が入ってきて、管理人の女性が忙しくなり、私はすぐギャラリーを出て西麻布に向かった。
店に最も近い六本木通りの交差点には、予定よりかなり早めに到着したのだが、私はそこから歩いて店の場所を確認し、友達にLineで写真を送り、その後、スマホの充電のため喫茶店に入った。
充電中は電源を切りたいので窓際のカウンター席に座って、暗くなった大通りの様子を眺めたり、手持ちの本を読んだりしてスマホを見ないで過ごした。
そして充電が終わり、スマホの電源を1時間ぶりに入れるとLineの返信が入っていた。

あなたが到着したとき、私はまだ家でくつろいでいたので、時間を間違えて伝えたのではないかとあわててしまいました。

私は、遅刻するのもまずいが、早すぎる到着も考えものだな、と思った。


満寿泉


ブルゴーニュシャルドネ