2022/02/11

加藤美紀さんの絵画

ギャラリームモン(MUMON)という銀座の小さな画廊に着いたのはお昼過ぎのこと。
交差点のマガジンハウスの斜向かいと思っていたので少し迷ったが、歌舞伎座の路地を入り、途中の雑居ビル(医療ビル)の1階にあった。
ギャラリーMUMONとは、きっと無印良品のようなコンセプトで命名されたのだと思うが(?)、今回は「RANSHOUHOUSYU(鸞翔鳳集)」という派手な名前の共同展示会で、画家1人1点ずつの出品である。


長谷川雅子、ギャラリーMUMON


実は今回もまた、アート友達Iさんのおすすめで立ち寄ったのだった。
Iさんの今回のおすすめは長谷川雅子さんという若手画家である。
彼女の作品は入口のすぐそばに展示されていた。
熊猫(シュウマオ)とは中国語でパンダのこと。
彼女の経歴を見ると東京芸術大学の大学院に在籍中とのこと。
若々しくて好感の持てる絵であるが、ええと、これってストリートファイターじゃないの??
画廊のお兄さんと少し話した。

「この絵の中国人は春麗チャン??」
「確かに、似てますね。」
「あ、お兄さん、ストリートファイターも春麗も知ってますか??」
「ええ、知ってますよ^^」

当たり前に知っていたのでちょっと安心。
こないだミヅマアートギャラリーで魔界村の一件があり、知らない場合も想定して話しかけたのだが。
まあ、ストリートファイターはあまりにも有名なのでしょう。


加藤美紀、ギャラリーMUMON


さて、ここでの私のお気に入りは圧倒的に、加藤美紀さん。
彼女の軽妙洒脱でカジュアルな絵が、他の画家の重々しい絵や凝った絵よりも、いい感じがした。
このいい感じは何だろうと思い、プロフィールを見てみると、「女子美術大学→ステーショナリーグッズメーカー会社員→フリーのイラストレーター→現代美術家」という経歴であった。
ははあ、なるほど、、、いい感じの理由は、彼女の絵がトレンドを意識して作られているからである。
年齢的にも私とほぼ同い年の彼女は、今後、人気の現代美術家となるのではないか。
つまり、彼女のような雑多な経歴の持ち主の方が、様々な社会経験をしていて、現代美術家としてふさわしく、成功もしやすいと思うのだ。
いまは昔とは異なり、国民生活が豊かで、教育水準が高く、高度の情報化社会である。
インターネットで検索すれば何でも出てくる時代に、学校教育でなければ提供不可能な価値や経験は少なくなっただろう。
学校や学歴はもはや、権威はあってもトレンドではない。
自分の手持ちの学歴は単なる箔付けにすぎないのだ。

ギャラリーMUMONを出た後は銀座から竹橋へ。
この近くに用事があり、約束の時間まで国立近代美術館のMOMATコレクションを見た。
ここは相変わらず素晴らしい展示である。


東京国立近代美術館


東京国立近代美術館


その後、所用を済ませ、6時半ごろに竹橋駅から日比谷駅へ。
年末の牛肉の赤ワイン煮込み以来のABCクッキング丸の内。
ただ、この日のメニューは料理ではなく、パンである。

おや、今日の先生はおしとやかな感じ、初めて見る先生だがおしとやかすぎてマスク越しだと声がよく聞こえない。
しかしその後、その先生が急用でいなくなり、若くて大柄な男性(R先生)に途中交代した。
今度はうってかわって、野性的なR先生の声だと聞き取りやすかった。


ABCクッキング丸の内


オーブンでパンが焼きあがり、いよいよ仕上げの段階に。
向かいの女性がパンにふりかけている小瓶を見て、青のりですかと聞いたら、パセリです、といわれておもしろがられた。
まあ、確かにパンに青のりはかけないか。
その後、生徒全員のパンを袋詰めするときになって、R先生が大活躍。
袋詰めの準備の手際があまりにも見事で私はびっくりして眺めた。
大柄なのに手先が器用で繊細、やっぱり料理の先生はある程度そうでないと務まらないのだな。
私は袋詰めのパンを持ち帰るつもりで帰り支度をして、おみやげの缶詰などももらった。
が、もう夜9時でお腹が空いたので、早速テーブル席でパンを食べることにした。
やはり、焼き立ての手作りパンはめちゃくちゃおいしい!!

すぐそばでR先生が片づけをしていて、少し話す時間があった。
前職が何だったのか私は非常に気になっていた。
そこで質問をすると、板前でした、との答え。
板前ね、、、なるほど、あの雰囲気と声と動き、カウンター席で見かける板前のものに違いないと思い、気分が晴れた。
ただ同時に、じゃあ自分は料理教室でどんな人に見えているのかしら、とも思ったのだが。