2022/06/03

(第3部)The story of Tokyo Tarot Museum(1)Temperance

この日の予定。

浅草→アートホテルKAIKA→東京タロット美術館→日本橋室町→DeepTechスタートアップイベント(フランス商工会議所)

アートホテルKAIKAは2度目の訪問。
浅草駅をおりたら、仲見世の方には行かず、隅田川を渡る。
吾妻橋の1つ南の駒形橋を渡って、ただ直進するだけで到着。




安っぽいのかモダンなのかビミョウな建物だが、とりあえず中へ。
右手の通路を進んでカフェに出ると、壁に紫色の大きな絵があって、これが非常に良かった。
通路の壁にも作品が展示されており、金網で囲まれた展示スペースもあった。
金網の向こうでは見にくいが、なんだか、プロレスラー大仁田厚の金網デスマッチみたいじゃないですか。


アートホテルKAIKA




アートホテルKAIKA


この他、入口付近の高所にも狭い展示スペースがあるのだが、ここに、私のアート友達がおすすめの渡辺涼太さんの作品が展示されていた。
おお、これか。
完成した絵を、アーティスト本人がカッターナイフで傷付けたものと聞いたが、、、もともとは何が描いてあったのだろう。






その後、私は、かねてより行きたかった浅草橋の東京タロット美術館へ。
ここは問屋街なので入り組んでいる。
おまけに、「東京タロット美術館」という看板のビルが堂々と建っているわけではないので、探すのに苦労した。
1階のクロネコヤマトの店舗が目印。
その横の狭い正面玄関を入り、狭いエレベーターでビルの6階へと上がる。

オフィスビルとはいえ、分譲マンションみたいだ、、、おお、本当に、美術館がある!!
小さな字で、「東京タロット美術館」と書いてある。
つまり、これは、他人様の家の表札である。


東京タロット美術館


玄関に細長い傘立てが置いてあり、薔薇の日傘が1本、入れてあった。
館内は、そこそこ広い大部屋と、小さな事務室、会議室、倉庫などがある。
美術館に来たというより、誰かの家にお邪魔している感じがして恐縮なのだが、、、タロットカードに囲まれた女性的な空間は妙に居心地がよかった。
実はここ、5階のおもちゃ屋さんがプロデュースしたもので、東京タロット美術館とはいうものの、タロットカードショップ+ブックカフェ、をイメージする方がしっくり来るのではないか。

受付で入場料500円をスイカ決済(6月6日から入場料は800円)。
受付の女性が、タロットカードを1枚引いてください、と言うので、差し出されたかごの中から裏返しのカードを1枚選んだ。


節制のタロットカード


正位置の節制かあ、、、よ、よかった。

節制とは、大アルカナ14番目のカードで、「予定通り」「うまくいっている」「調和」などの解釈である。
ただし、タロットカードは逆位置の場合、意味がひっくり返ってしまうのだ。
したがって、逆位置の節制なら、「予定通りではない」「うまくいっていない」「調和していない」などの正位置の否定の意味か、または、「マンネリ」「停滞」などの正位置の意味をネガティヴに解釈し直すこととなる。


東京タロット美術館


10分ほど、展示品や売り物のタロットカードを見て回った。
額縁に入った22枚の大アルカナの展示、ここだけが撮影可能といわれた。
棚の上に並べられた売り物のレアカードには高額の値札が付いている。
いくらレアとはいえ、かなりの値段なので驚いた。
封がしてあったし、買う気のない私は、あまり熱心には見なかった。


「フィボナッチ」「神話、伝説とおとぎ話」 「悪魔の美術と物語 Devils in Art and Legend」


その後、私は書棚から3冊ほど選び、窓際の席に座った。
運ばれてきたお茶を飲み、しばらく本を読んで休憩。
どれも書店で見かけない珍しい本だが、神秘的な内容でおもしろそうだ。
フィボナッチ数列は、投資分析の方法としてもわりと人気があり、よく知っている。
しかし、考案者のフィボナッチが、まさか周囲の者から能無しと呼ばれ、嘲笑されていたとは思わなかった。
フィボナッチの本を閉じ、ふと、手元のカード(節制)を眺めた。
どうなんだろう、、、自分の人生のこれからを、タロットカードが暗示していると思うなんて。
タロット占いの結果を信じて、自信を持ってもいいのだろうか。

「タロットカードの78枚のうち、22枚で構成されたカードを大アルカナといいます。アルカナとは、ラテン語で「神秘」「秘密」という意味で、大アルカナは番号と表題が書かれた寓意画となっています~中略~タロットを読む時は、直観が大切です。直観は考えるよりも早く、遥か遠くからやって来る「報せ」です。あなた自身に宛てられた、あなたが読めるように託されたメッセージです。見た夢と同じように、そのカードがどのように見えたのかが鍵となります。まずは、あなたが感じたことにフォーカスしてみてください。」(東京タロット美術館資料より)

確かにそのとおりだ。
私たちは何かあった時、あれこれ理屈っぽく考えるより、直観を素直に信じるべきだ。
目に映る景色は、自分のみに与えられた、自分のみにしか解けないアレゴリー(allegory)である。
内なる自分と対話をして、「隠された意味」にフォーカス(focus)してみよう。
そうすれば私たちは、フィボナッチのように素敵な発見ができるかもしれないし、あるいは、思いがけないフォーチュン(fortune)とめぐり逢えるかもしれない。