9月のある夜、私はママ殿と2人で、2階の窓から中秋の名月を眺めていた。
そのときママ殿が、そういえばもうすぐ、お彼岸よね~、と言った。
彼岸といえば、コロナ以前は2人で実家の墓参りに行ったものだ。
帰りはデパートで買いものをして、夕食に鰻や、すき焼きを食べたなあ、と思い出した。
この日はT先生のワイン教室があり、私は早めに家を出て、途中、実家のお墓参りをしてから南青山に行った。
表参道駅~Pixiv WAEN Gallery~青山墓地~キャプランワインアカデミー~フレンチレストラン「Aminima」
確かPixivってマンガとイラストのSNSだっけ、、、それくらいしか分からないので事前に調べると、最近は小説(ライトノベル)の発表の場にもなっているようだ。
ピクシヴのギャラリー(Pixiv WAEN Gallery)は初訪問である。
表参道から徒歩10分ほどの閑静な住宅街の一角にあった。
その近所に昔ながらの小さな八百屋があって、小分けのシャインマスカットが1つ680円で売っていた。
それを見て私は、ああ、日本って庶民の国だなあ、と思った。
そういえば南青山三丁目の交差点にも、古臭い靴屋があって、いつもバーゲンセールの張り紙がしてある。
ピクシヴのギャラリーは秋葉原や神田のアニキャラショップのような雰囲気で、おしゃれな表参道には似合わないとも思ったが、時代遅れの八百屋や靴屋も存在しているのだ。
展示作品を見た後、コンビニで食事を買い、近くの青山墓地の入口のベンチで座って食べた。
ランチタイムで、私のほかにも会社のお昼休みの数人の男女が、ベンチでコンビニ弁当を食べていた。
食後は30分ほど墓地を散歩した。
広大な墓地で、公園のような場所である。
そういえば午前中、私は実家のお墓参りをしてきたのだが、こちらは下町の由緒あるお寺の古くて狭い墓地である。
青山墓地は広くて立派な墓ばかりだなあ、、、すごい!!
ただ、中には無造作に雑草がのびて墓石が隠れていたり、手入れがされておらず墓石が汚れていたり、下町の由緒あるお寺では見られない状態の墓が数多くあった。
掃除のおじさんがゴミ袋を抱えて歩いているが、彼はきっと、アルバイトだろう。
そうそう、午前中お寺に行ったとき、私は玄関先で住職の奥さんと出くわし、立ち話をしたのだった。
「あら、いらっしゃい。どなたのお墓参りですか??」
「〇〇家です。でも、たくさんお墓があるから、奥さんはご存知ないですよね??」
「いいえ、知ってますよ。〇〇さんのお家なら、△△さんがよくお参りに来られます。△△さんの息子さんでしょ??」
「いえ、〇〇さんの妹の息子です。」
「あら、そうなの。何となく、覚えてるわ。あなた、大きくなったわね~♪♪」
「そ、そうですかね~(*'ω'*)」
あとでママ殿に聞いたら、住職は別のことで忙しく、この寺は奥さんが切り盛りして成り立っているようなものよ、と言っていた。
青山墓地を出たのは3時過ぎ。
キャプランワインアカデミーのあるパソナビル(エイベックス旧本社ビル)に着いたのは4時頃だった。
向かいのセブンイレブンで買ったほうじ茶を飲みながら、外のベンチに座って涼んでいると、Sさんから到着のLineが入った。
「いま、外のベンチに着きました。Tさんと一緒に、あなたのそばにいるわよ。」
「おお、Sさん、Tさん、お久しぶりです!!」
Sさんとは、ワインの銘柄をズバズバ言い当てるワイン通の女性である。
3人で一緒にビルの中へ。
移転したばかりの新教室は高層階にあり、教室の大きな窓からは、六本木ヒルズ、東京タワーなどが見渡せる。
この日の講座のテーマは、マイナー品種のカベルネフラン(Cabernet Franc)。
ええと、カベルネフランというとボルドーブレンドで用いられる保険品種であるが、同系のカベルネソーヴィニヨン (Cabernet Sauvignon)があまりにも有名であるため、その陰に隠れている。
Wikipediaを読むと、簡単な解説があるだけである。
「ボルドー地方ではカベルネ・ソーヴィニヨン種に比べて排水のよくないところでも育つため、ドルドーニュ川右岸のサンテミリオンやフロンサック地区などで比較的多く見られている。ジロンド川左岸のメドック抔では、ほんの数パーセント作られているだけである。フランス国内でもっとも栽培面積が多いのはロワール地方であり、シノン、ソミュール、ブルグイユなどの赤ワインはこの品種を主体にして作られている。カベルネ・ソーヴィニヨン種によく似たブルーベリーのような香りと、ほどよい渋み、豊かな酸味を持っているが、カベルネ・ソーヴィニヨン種に比べるとおとなしい感じのワインが多い。AOCワインでは安価なものの一つである。心地よい薄甘口の味わいとサーモンピンクの色合いが美しいアンジュー・ロゼやカベルネ・ダンジューも、この品種を中心に作られている。フランス以外では、アメリカ合衆国のカリフォルニア州やオーストラリアでもわずかながら栽培されている。カベルネ・ソーヴィニョンに比べて高温多湿に強いため、日本では山梨県を中心にこの品種を導入しているワイン園がいくつかある。」
(Wikipedia「カベルネフラン」より)
しかし、マイナーなカベルネフランのことを、先生はかれこれ1時間以上、話し続けた。
この日のテイスティングは6グラス。
品種のみならず、土壌(地質)も当てるように、と言われた。
知らずに飲めば、1~4(左4つ)をカベルネソーヴィニヨン、右の2つをピノノワールと判断するだろう。
しかし6グラス全てがカベルネフランで、砂利質のところのものと粘土質のところのものがあった。
講評では、おおむね2と4が人気だったが、私と先生は2と6が好みということで意見が一致した。
ん~と、いつものことだが先生と好みが同じになってしまうのは、弟子の私にとって大勝利(=゚ω゚)ノ!!!!(2021/12/23「わたしのワインの先生(2)」)。
ワイン教室の後は、神宮前の人気のフレンチレストラン「Aminima」へ。
みんなは常連だが、私は初入店、、、いや、このインテリアは見覚えがあるぞ。
2019年夏、まだ私がWSET3の受験生だった頃、受験生仲間3人で授業の帰りに、ふらっと来たことがあった。
そうだ、ここで、不思議なカレーを食べたのだ!!
懐かしい思い出だなあ。
Aminimaの料理は、家庭的な味で、とてもおいしかった。
表参道の家庭的なフレンチレストランというと私はジャリーヴを思い出すが、ジャリーヴはコロナ禍に閉店してしまったという。
この店も、ふだんは予約なしでは入れないはずだが、この日の客は予約なしの私たちだけ。
表参道周辺は賃料が高額で、支援金が絶たれてからは、客足が回復するまで飲食店は苦労しているようである。
私のブログでは宣伝にもならないが、ここに料理の記念写真を並べておこう。