2024/05/26

Don't Trust Pretty Girls



ゴールデンウイークがあけると、都内は一気に蒸し暑くなった。
平日の昼間でも、銀座の大通りは、人でごった返しており、歩くとすぐ汗ばんでくる。

私は、日本橋で用事を済ませ、銀座の駅をおりて、三越の交差点の日産のビルに入った。
6階のソニーギャラリーでは、5月後半、「ソニーワールドフォトグラフィーアワード2024」の受賞作品の展示会が行われている。






まず、目をひいた作品は、アミノ酸の結晶の拡大写真で、偏光フィルターを用いて撮影されているという鮮やかな作品。
これは、オランダの写真家のもの。

続いて、入口の方に戻り、順路の最初の作品から見てみよう。
学生部門の最優秀賞受賞作品で、連作である。












キャプションには、このような説明がある。
「このシリーズは、私と義理の両親との関係を探るもので、タイトルはパートナーの祖父の左腕にあるタトゥーにちなんでいます。私は、私が聞かされた話や思い出、そしてそれぞれの解釈に導かれ、フィクションと現実の間の緊張を探りました。その結果、現実を反映したり超越したりする可能性を演出しました。ますます強く結ばれた絆のおかげで、私は新しい家族とともに第二の故郷を見つけました。」

連作の最後は結婚式の写真だが、直前の写真では、恋人と一緒の女性が拳銃を構えて、何かを狙っている。
森の中で、彼女は、誰に狙いを定めているのか?
相手は意中の男性か?

一連の作品のタイトルは「Don't Trust Pretty Girls」である。
直訳すると「美少女を信じるな」⇒「美人にダマされるな」ということである。
祖父(のタトゥー)を見て思い付いたタイトルというが、どうもよく分からない、、、




その後、順路の途中に、獲物を捕らえるメスのジャガーの決定的瞬間をとらえた展示作品があった。

イギリスの写真家の作品で、キャプションにはこのような説明がある。
「サン・ロウレンソ・リバーのロッジに別れを告げ、パンタナールの冒険の終わりを迎えたが、出発の際、30分ほど 離れた場所でジャガーが目撃されたと聞きました。私たちは現場に駆けつけ、このしなやかな雌のジャガーが獲物を狙うのに遭遇しました。私たちのボートと私のカメラは、最適な位置取りを行い、彼女が無防備なカイマンに襲い掛かるのを見事に捉えました。」

サンローレンソは、ポルトガル。
写真家がメスのジャガーに睨まれて、目が合っているのが、この写真の高評価のポイントだと思う。




順路の後半へ。
車の窓から手だけが出ているナゾめいた写真が目に付いた。
「The Hand」というタイトルである。

スイス人の写真家の作品だが、キャプションを読むと、「ネパールのバクタプルで行われた結婚式の最中に、新郎が熱烈に手を振って通り過ぎる様子を捉えました。」と書いてある。




ソニーギャラリーを出たあと、地下鉄に乗り、浅草橋に行った。
私は、久しぶりに、東京タロット美術館を訪問した。
手帳を見ると、前回の訪問は2024年1月であった。
しかし、受付の女性スタッフは、いつもの人というかんじの対応だった。

今回、受付で引いたタロットは、太陽(SUN)!!

私は、太陽の解釈をよく知らないので、大アルカナの一覧展示のところで確認をしてから、テーブル席に座った。








太陽(SUN)のタロットには、明るい、楽しい、名声を手に入れる、バイタリティーなどの意味があるという。

なるほど、、、そういうことか。

館内はすいており、私は、4人掛けのテーブル席で、早速、かばんから大サイズの封筒を取り出した。
いつもなら、運ばれてきたお茶を飲みながらスマホを眺めたり、書棚のタロット本を読んだりするのだが。。。




5~6月は総会のシーズンである。
先ほど、東証ペンクラブの定時総会があり、私は、会報誌「Pen」をもらってきたばかりなのだ。

目次を見ると、うしろから2番目、、、おお、経済評論家の大御所杉村富生氏の次に載っているではないか。
また、私が所属する日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)からは、テレビでお馴染みの東野幸利・現NTAA理事長と、元野村証券で初代NTAA理事長の岡本博氏も載っている。

伝統と格式のある東証ペンクラブの会報誌「Pen」、、、ここに私のエッセイも、ちゃっかり載ってしまっているとは!

ということで、本日のタロット、かなり当たっていると思った。





私は、手帳を開いた。
手帳のメモ欄に、ソニーギャラリーの展示会の雑感を書いた。

「Don't Trust Pretty Girls」について。
この作品のタイトルは「美人を信用するな」である。
連作の後半で、女性が狙いを定める写真と、結婚式の写真があった。
私は、結婚というのは女性が決めることで、女性が加害者、男性が被害者で、標的の男性がハートを撃ち抜かれて、被害を受けた結果である、というような意味合いだと思った。
結婚式の写真は、何となく、お葬式のようでもある。
「結婚とは人生の墓場」という言葉を思い出す(マンガ「逃げるは恥だが役に立つ」で読んだ)。

メスのジャガーと女豹について。
メスのジャガーは女豹のことではないかと思ったが、Google検索で調べると、そうではない。
厳密には違う。
ただ、そうはいっても、ジャガーは、豹と、かなり似ていると思う。
だいたい私たちは、ダックスフントも、チワワも、土佐犬も「犬」と呼んでいる。
それなら、ジャガーと豹は同じ扱いでよいのでは?

ネパールの田舎の結婚式の車のパレードの写真について。
新郎が手を振っているが、その手が不自然に硬直している点が気になった。
顔を出さないのではなく、出せないのでは?
車内で新婦(女豹)に襲われている。。。




続いて、お茶を飲みながら、総会の資料を眺めた。
何枚かめくると、会員規約の書かれた紙があり、そこには、東証ペンクラブの会員資格について、「文筆に親しむ金融証券人および本会の事業に協力される文化人をもって会員とし~」とあった。
審査は会員で構成する幹事会で行われるが、「Pen」の執筆者を見ると、会員は、証券業界の理事長や会長や代表取締役、あるいはその元職の方たちが多いようだ。

それなのに・・・今回、私が、東証ペンクラブの会員になれたということは、実にラッキーである!