2024/07/29

2つの新NISA講演会



先週は、新NISAの講演依頼があり、新宿の先の中野まで行ってきたのだが、途中、日本橋で下車し、日本証券業協会(日証協)に立ち寄った。
目的は2つ。
1つは受講者に配布するNISAのパンフレットをもらうため、もう1つは、東証ペンクラブの講演会に出るため。
ちなみに、私は東証ペンクラブの会員であり、ペンクラブ本部は日証協の中にある。

この日の講演は、住友銀行元専務取締役の岡部陽二氏による新NISA講演。
夜に新NISA講演を控える私にとっては必聴ネタで、自分の講演に抜けや誤りがないかを確かめる意味もあって参加した。

今年で90才になるという岡部先生。
最初の挨拶で、最近は体調がすぐれない、物忘れがひどい、講演なんかできる状態ではないんだけど~と前置きをした。

おや、この前置き、、、確か、今年1月のNTAAのアドバイザリー会議の基調講演でも、似たような前置きをした人がいた。

誰だっけ?(*'ω'*)、、、
ああ、思い出した。

NTAAの元理事長の安部雪春先生(85?)である。
安部先生は、投資とアートを愛するテクニカルアナリスト業界の大物である。
テクニカル分析指標のワコーボリュームレシオの考案者としても知られており、これは、テクニカル分析の教科書にも掲載されているのである。




ただ、安部先生は、そんな前置きの後は打って変わって、60分間とめどなく喋り続けたのだった。
大変すばらしい内容だったが、実は、業界で活躍された大物高齢者の講演は当たりが多い。
死ぬ前にこれだけは言いたい、ヤバいことも知っている、今さら恐いものはない、、、ということで、アグレッシブで面白い内容になる。
また、いつも人前に出ていると落ち着いて話せるが、たまに人前に出る人は講演で興奮状態になるので、、、モゴモゴ喋って退屈な内容になる、と決め付けるのは間違いである。

岡部先生の講演はどうだったか?
こちらも、90才とは思えない、なかなか流暢な喋りで、内容もすばらしかった。
批判の矛先は、保守的な日本の金融界。
NISA導入を提案したのは、岡部先生が理事をされているNPO日本個人投資家協会であった(ここは、投資情報サイト「ジャイコミ」を運営している)。
しかし、当時、NISA導入に難色を示したのは大手証券会社であるとか!?
チョット不思議な話だが、どうしてかというと、自社の顧客が回転売買をしなくなり、手数料収入が減るからである。
なお、役所の反対はあまりなかったようだ。

また、銀行でNISA口座を作ると個別株が買えない、選べる投信が少ないなどの問題点も指摘されていた。
したがって、ネット証券大手の楽天証券とSBI証券がいいですよ!という結論がレジュメに書かれている(*'ω'*)ハッキリと!

90才の岡部先生は、その他にも、言いたいことを言っていた。
実に面白い講演だった。




岡部先生のNISA講演後、私は予定通り、自分のNISA講演へ。
中野坂上は初めてだったが、ヒルトンホテルや都庁のある西新宿の隣町なのに、古いビルばかりで昭和の風情がある。
新宿区と中野区で、ずいぶん違うんだなあ、と思った。
私は、駅前の丸亀製麺で、ざるうどんの大盛りを食べた。
そして、ここに詳しく書かないが、講演は無事終わった。

まあ、私も講演で、ひととおり、言いたいことは言えたと思う。




翌日は銀座へ。
5月31日、私は銀座の東京三田倶楽部で相続講座の講師をしたが、そのとき聞きに来てくれた弁護士のS先生の相続講座を聴くためだ。
ただ、東京三田倶楽部の講演はいつも夜からなので、昼間は築地本願寺で、しこしこ原稿を書くことにした。




いまはスマホとペンで原稿が書けるので、執筆業は場所を選ばない。
本当に便利な世の中だ。
じっと机に向かって文章と格闘するということもなく、わりとすんなり原稿ができあがる。
締切前以外は、このようにリラックスして書ける。
精神的にラクであるのと、推敲がじっくりできるのがよい。

もしかするとスターバックスなどで執筆中の私は、気楽で優雅なご身分に見えるかもしれないが、実際の執筆は全然そうではなく、行き詰まって苦しんでいることもよくある。
実際、行き詰まったので、カフェテラスから本堂へ移動した。




本堂は、冷房でよく冷えており、静謐な場所でもある。
昼間は、法事などがなければ、開放されている。
私は椅子に座り、1時間ほど、原稿を書き進めたが、また行き詰まってしまった。

そのうち、おつとめの時間になり、僧侶たちがお経を唱え始めた。
いつも思うのだが、明らかに築地本願寺の僧侶のお経はうまいというか美しい。
私は仏教徒ではないが、築地本願寺のお経は聴く価値があると思う。
言葉の意味は分からないが美しい歌のようである。

ああ、それってオペラと同じだな、と私は思った。
なるほど、築地本願寺の僧侶のお経は芸術か。

原稿は行き詰まったままだが、私は晴れやかな気持ちで、本堂を出た。




7月はコツコツ書いたので、だいぶできあがった。
ただ、初稿の段階では、できあがった原稿の完成度が低いのがふつうで、ここから、原稿のクオリティーを上げていく必要がある。
つまり、推敲という地道な修正作業を伴いながら、原稿は私の手元で寝かせられるのである。
これは、ワインでいうと樽の熟成期間を経て、おいしくなるというような話だと思う。
私自身の考えでは、ワインと同じで、原稿もこの熟成期間が大事である。

今回は、スケジュール調整をして、締切まで余裕がある。
初稿の段階で、ていねいに直せそうである。
実際、2~3度、大修繕をするだろう。

最初はただ書き進めればいいので、悩むこともしれているが、完成した原稿に自分で手を入れるのは悩みが多く、ハードである。
例えると、80点の答案を書くのは簡単だが、80点の答案に手を入れて100点近くに引き上げるのは?
後者の「詰めの作業」の方が大変である。








S先生の相続講座は、ややこしい相続の裁判の事例研究だった。
法学部のゼミなどと同じで、事例研究というのは非常に面白いし、ためになる。
事例を通じて理論を使うからである。

ただ、私はカツ重を突つきながら、原稿のことばかり考えていた。。。

カツ重を食べて、カツを入れる!
しかし、週明けのいまも、私の原稿は、行き詰まったまま。。。
今週中に詰めの作業にとりかかりたいが、、、集中ができて、はかどる場所はどこか、考え中である。