去年、世田谷文学館で「筒井康隆展」があり、その時の本を最近世田谷文学館のウェブサイトで購入したが、今日郵送で届いた。
筒井康隆といえば断筆した作家でも知られるが、私は昔読んだ小説「富豪刑事」を思い出した。
そして私は何となく書斎に行き、本棚の筒井康隆の本をぱらぱらと読んでみた。
「繁栄の昭和」、これは何といってもタイトルがいい。
分類としては筒井康隆はSF作家だが、書斎の本棚にはエッセイが多い。
エッセイだと言いたい放題で、私は小説よりもエッセイの方が読みやすくておもしろいと思う。
そういえば、世田谷文学館の職員が言っていたが、筒井さんは展示会のトークイベントの時に、ご自分の展示作品をオークションにかけていらっしゃいました、とのことである。
自分で自分の作品をハンマープライス!!
さすが筒井康隆、良識がない(これは誉め言葉!!)。
さて、今日は雨の中、これから渋谷まで行く予定である。
渋谷東急のBUNKAMURAで、「みんなのミュシャ展」を見るのである。
渋谷駅近くのラーメン屋「はやし」でラーメンを食べた後、BUNKAMURAに着いたのはお昼過ぎであった。
雨天なのに入口には行列ができており、館内は美術館とは思えないほどの混雑。
ここは渋谷の繁華街の一角なので、ある程度の混雑は仕方ないが、これでは落ち着いて鑑賞などできない。
私は途中1度退館し、トイレに行き、息抜きの時間を作った。
それにしても、ミュシャの絵はピンと来ないよなあ。
第一印象は、タロットカード、ファンタジーのボードゲームのカード??
全部の絵がドローイングみたいなので、私は美術館に来ている気がしなかった。
ただ、渋谷のカジュアルな雰囲気には、ミュシャの絵はよく似合っている。
その後、私はミュージアムショップで先に買い物を済ませることにした。
が、ディズニーランドのショップなみに非常に待たされ、疲れ果ててしまった。
それにしても、すごいなあ。
どういう理由か知らないが、ミュシャはめちゃくちゃ流行っている!!
疲れたけど、流行っているなら、もっとよく見なくてはなるまい、、、
私は再び展示室に入場し、混雑の中、30分ばかりミュシャの絵を見て歩いた。
すると、ミュシャ展のギャラリーの一角に、日本の有名な漫画家、アニメ監督、イラストレーターの賛辞の言葉が書かかれており、そこでしばらく立ち止まり彼らの言葉を読んでみたのだが、ようやく私はピンと来た。
ミュシャ展は、日本のマンガとアニメが「サブカルチャー」から「アート」へ格上げされる流れの中で、こうして流行っているのだろう。
学生時代から漫画やアニメが大好きな私としては、大変に結構なことだと思った。
多くの日本人は、漫画やアニメの方が子供の頃からの付き合いが長いし、自然な愛着を感じるだろう。
また、国際交流の観点からも漫画とアニメは非常に重要な意味がある。
例えば、国どうしの関係が悪い中国人韓国人の若者が、日本のアニメが大好きです、というと、何となく分かり合えるような気がするのだよね。
しかし、中国人や韓国人の若者が、日本画が大好きです、というのを私はまったく聞いたことがない。
日本好きの外国人は日本文化を本当によく勉強していると思うが、私の知る限り、そういう人の趣味は漫画とアニメである(例えば、アニメで日本語を勉強した、という中国人の若者がいた)。
それなのに、私たちの評価基準が旧態依然としており、漫画やアニメをファインアートよりも格下とみなすのはどうなのだろうか。