渋谷の道玄坂を上がりきると、「俺流ラーメン塩」という店がある。
ここは、かなりおいしい店で、おすすめである。
しかし、この日の私は、俺流ラーメンの裏手の「渋谷ソラスタ」に用事があった。
ここでGoogleの広告部門が主催するウェブ広告セミナーがあり、私は、船井総研のコンサルタントのセミナーを聴くため、来ているのだった。
インフォメーションセンターの脇のエレベーターで、カンファレンスルームのフロアに上がった。
エレベーターの扉が開くと、目の前にGoogleの社員が待機しており、すぐセミナールームに案内された。
Google主催ということで、とてもおしゃれな場所である。
セミナールームの外のテーブルには、タリーズコーヒーの入ったポット、アンリシャルパンティエのお菓子が箱ごと置いてある。
私は、トイレの帰り、そこへ立ち寄り、コーヒーと、フィナンシェと、マドレーヌを持って、席に戻った。
こないだ、銀座のアンリシャルパンティエのカフェで、クレープシュゼットを食べたばかりだ。
フィナンシェも、マドレーヌも、甘くて、しっとりとしていて、おいしい。
肝心のセミナーの内容だが、AIがますます活用される時代になり、ネット検索も、ネット広告も、マーケティングの手法も変化していく、というような内容であった。
私は、トイレの帰り、そこへ立ち寄り、コーヒーと、フィナンシェと、マドレーヌを持って、席に戻った。
こないだ、銀座のアンリシャルパンティエのカフェで、クレープシュゼットを食べたばかりだ。
フィナンシェも、マドレーヌも、甘くて、しっとりとしていて、おいしい。
肝心のセミナーの内容だが、AIがますます活用される時代になり、ネット検索も、ネット広告も、マーケティングの手法も変化していく、というような内容であった。
講師は、船井総研のマーケティングコンサルタント渡邊達陽氏のほかに、Googleの女性社員も登壇し、どちらの話も非常に参考になった。
セミナー終了後、船井総研のシニアコンサルタントの男性と名刺交換をした。
司法書士の名刺を渡すと、彼は少し考え込んで、私に参加の動機を尋ねてきた。
私は彼に、参加の動機を伝えた。
「私、以前から、事業承継に注目しておりまして」
「ほう、事業承継ですか」
「私の友人に司法書士のM先生というのがいるんですけれども、彼は、船井総研さんの事業承継コンサルのセミナーを受けたりして、事業承継コンサルの勉強中です」
「なるほど、ご友人の司法書士の先生が」
「でも私は、船井総研さんのことを全然知らないので、今回Googleの広告セミナーで、良い機会と思いまして、船井総研さんのブースを選んで、一度セミナーを聞いてみることにしたのです」
「そういうことですか。しかし、弊社は、いろいろな部署に分かれておりまして、あいにく、私は、担当ではございません。後日、事業承継の担当者に伝えておきましょうか?」
「そうですねえ、M先生は、司法書士の仕事だけでは退屈なので、事業承継コンサルもやって、一発当てたいんじゃないかなあ」
「一発・・・ええと、事業承継で一発当てたいのは、M先生だけですか?」
「そうですねえ、私も彼に便乗できたらいいのですが」
「便乗・・・」
「彼は一体、いつ着手するんだろう。そうそう、申し遅れましたが、彼は、渋谷で司法書士事務所をやっています」
「なるほど」
「なるほど」
「これから会ってランチする予定だったんですけど、今日は忙しすぎて時間が取れないそうで。毎日あんなに忙しくて、事業承継のことに手が回るんだろうか。おっと、私は、これから買い物したいので、そろそろ帰ります」
「買い物・・・」
帰りに、船井総研のコンサルが共同で執筆した、ネット広告のハウツー本をプレゼントされた。
帰りに、船井総研のコンサルが共同で執筆した、ネット広告のハウツー本をプレゼントされた。
「担当者1人で取り組める、はじめてのネット広告」という本であった。
早速、電車の中で、軽く読んでみたが、コンパクトで、非常に分かりやすい説明だった。
早速、電車の中で、軽く読んでみたが、コンパクトで、非常に分かりやすい説明だった。
これは、よくできた実用書である。
さすが、天下の船井総研。
私は、銀座線の京橋駅で下車し、買い物をしたが、その後、日本橋の大通りを歩いた。
そして、アーティゾン美術館の隣のビルの工事現場の前で、立ち止まった。
工事現場の壁一面に、詩と写真を組み合わせた作品が展示されていたのだ。
最近知り合った、Iさんという女性がいるのだが、彼女の趣味は短歌だ。
短歌といえば、昭和女子大の歌人Sさんのことも思い出す。
短歌といえば、昭和女子大の歌人Sさんのことも思い出す。
私はSさんから、「昔は、短歌のひとつも詠めなければ、教養人とはいえなかったのですよ」と言われたことがある。
しかし、私は、短歌や俳句や詩などに興味がなく、読んでもサッパリなのだ。
私は、この工事現場の壁の展示を、ゆっくり見て歩くことにした。
後日、またアーティゾン美術館の前を通りかかったときは、すでに工事現場の壁も展示作品も撤去されており、大きなビルが竣工していたのだった。
ライトアップされた文字を読むと、戸田建設のビルだった。
看板に、「CREATIVE MUSEUM TOKYO」と書かれている。
案内板を見ると、いくつかのギャラリーが入居していたが、まだ空きが多いようだ。
ギャラリーって、儲からなそうだけど・・・こんな立派なビルの賃料を、毎月払えるほど、儲かるんだろうか。
建設会社にアートというのは、不似合いだと思うかもしれない。
しかし、建築士の設計した建物は、実用に供される芸術作品であり、建設とアートは、なじみ深いといえるのだ。
ここで、私は、ふと思い出した。
連絡帳を検索し、アーティストとしても活動している女性建築士のO先生に連絡した。
「こんにちは、お久しぶりです。最近、建設会社が現代アートに関心を寄せてますよね。戸田建設のビルが、アーティゾン美術館の隣にできたんですけど、アートセンターがあります。O先生の作品も、その方面に売り込めるんじゃあないですか?」
「あら、そうですか。でも、戸田さんには、ドラえもんという強敵がいるのです」
「ドラえもん?」
「ええ。戸田さんがドラえもんを起用したプロジェクトを「ほんトダ!」というのですが、果たして、私の作った作品は、戸田さんに相手にしてもらえるかしら」
「ええ。戸田さんがドラえもんを起用したプロジェクトを「ほんトダ!」というのですが、果たして、私の作った作品は、戸田さんに相手にしてもらえるかしら」