2025/03/26

早咲きの桜を探し求めて



2月26日。
昭和女子大学の現代ビジネス研究所に行ったとき、キャンパスの一角に、早咲きの桜が咲いていた。
最初、梅の花かと思ったが、近付いて見ると、桜の花だった。
案内板には、河津桜と書いてあった。

河津桜は、最も早咲きの桜で、2月下旬から3月にかけて開花する。
他の桜よりも、ひと足、早く散ってしまう。
淡いピンク色のソメイヨシノとは違い、河津桜の花びらは濃いピンク色である。





3月17日。
日本橋高島屋のスターバックスで、パッションティーを飲みながら、私は考えていた。
今年もあっという間にお彼岸だ。
これから、ママ殿と一緒に、お彼岸の墓参りに行く予定を立てる時期だが、ママ殿は、そのついでに、おいしいものを食べて、花見もしたい・・・と思うはずである。

しかし、河津桜はもう散っている。
都内のどこかに、花見スポットはないだろうか。
ネットで調べると、桜は3月22日前後に咲き始め、28~29日に満開になるとのこと。

どうも、いまは、タイミングが悪いようだ。。。





3月21日。
私は六本木ヒルズにいた。
予定より1時間ほど早く、お昼前に現地に着き、ヒルズの敷地内にある毛利庭園に行った。

ここは、テレビ朝日のニュース番組の天気予報で、気象予報士が中継することがあり、名前だけ知っている。
しかし、テレビだと立派そうに見えるこの庭園も、実際に見ると、こぢんまりとした地味な場所であった。
やはり、桜はどこにも咲いておらず、私は、ぐるっと一周して、毛利庭園をあとにした。

いまは、タイミングが良くない。。。





その後、私は、六本木ヒルズの中のスターバックスへ。
正面玄関の横のスターバックスは、レジに人が並んでおり、注文まで時間がかかりそうだった。

私は、エスカレーターで駐車場フロアにおりた。
六本木ヒルズは、階下にも、別のスターバックスがあるのだ。
こちらで、しばらく資料の整理をしていると、約束の時間になった。

私は、上の階のオフィスフロアに向かった。





見晴らしの良いオフィスで、女性経営者とお会いした。
彼女は次のアポイントメントが控えており、私たちの話は短時間で終わったが、欧米人が英語でやりとりをしていたり、何やらここは、特別な空間のように思えた。
私は、アポがあれば1時間前後は見ておくので、帰りの時間が、ずいぶん早くなった。

私は、六本木駅の日比谷線に乗り、秋葉原駅で下車した。
神田明神に桜の木はないのかもしれないが、しばらく行ってないので、散歩がてら、見に行くことにした。




前回の参拝は12月末。
私は、今回もその時と同じ、男坂から登った。

当時、街灯の赤旗は「迎春」だったが、今回は、「神田祭」と書かれている。
神田祭のことは、よく知らないが、5月に開催される盛大な祭りのようだ。
神田祭は日本三大祭りのひとつで、京都の祇園祭、大阪の天神祭と並べられるという。





私は、今回もまた、KAIKAビルの前で、立ち止まった。

ああ、そういえば、大事なことを思い出した。
本所のホテルKAIKAの壁に飾られた大きな絵のことである。

前にも書いたが、美術評論家に感想を聞いたきりで、すっかり忘れていた。
その後、彼から返事のメールをもらったが、読むのを後回しにしていた。
あとで、じっくり読んでみるか。





神田明神の境内は、人が多かった。
本殿前は、いつものように、参拝客の列ができている。
ここは、商売繁盛の神様で、いつもそれなりの参拝客が来る。

これに対して、私がよく行く湯島天神はどうか。
湯島天神は合格祈願の名所で、受験シーズンだけ、やけに混雑する。
それ以外だと初詣も大混雑するが、あとはおおむね、空いている。




私は早咲きの桜を探して、神田明神に来たので、参拝客の列には並ばず、境内を歩いた。
しかし、早咲きの桜は、見当たらなかった。

さて、どうするか。
歩くと距離があるが、まだ午後2時過ぎ。
これから上野公園まで足を伸ばしてみよう。
午後は暖かくなって、散歩日和だ。




上野公園の桜も、やはり、全然、咲いていなかった。
ただ、不忍池の道のほとりに、露店がいくつか出ており、ある露店のうしろにある数本の桜が咲いていた。
何人かが近付いて写真を撮ったりしたが、私は、その桜を見て、なんだか見映えのしない桜だと思い、簡単に通り過ぎてしまった。
しかし、その後は、早咲きの桜と出会うことなく、公園の散歩道を、美術館のある方へ、15分以上、歩いた。

花見の準備はされているが桜の咲いていない道を、みんなでゾロゾロ歩くのは、何やら、不思議な光景である。
多くの人が、早咲きの桜をひと目見たいと思って、やって来たのだと思う。
しかし、なかなか見つからないので、意地になって歩き続けているのではないかと思った。

おお、あった(*'ω'*)!!
再び、早咲きの桜を発見。





私は、桜の木にスマホを向けた。
他の人も寄ってきて、みんなで一斉に写真を撮り始めた。
とにかく、早咲きの桜が見つかって、良かった(ああ、疲れた・・・)。

しかし、近付いて見ると、この桜も、あまり見映えのするものではなかった。
私は、早咲きの桜というのは、もの珍しいだけで、その美しさは凡庸のように思えてきた。

でも、人が寄り付き、ちやほやされているよなあ、、、
まあ、それは、他の桜が満開になるまでの短期間の人気である。




3月28日追記。
都内に向かう電車の中で、私は、例の美術評論家のメールを読んでみた。
文面が英語なので、翻訳ツールを使いながら彼のレビューを読んだが、なかなか手厳しい評価だった。
意見をくれたのは、ニューヨークのギャラリーの関係者(?)である。

押上駅に着いた。
スカイツリーの麓から歩き始め、隅田公園~隅田川沿いを歩いた。
このあたりは、ぼちぼち桜が開花している。
横断歩道のそばに、濃いピンク色の桜が咲いていたが、これは非常に美しかった。




最後に。
桜に関する私の雑感を書いて終わりにしよう。

早咲きの桜は、早く枯れる。
人の人生も、そんなものでは?
コツコツ続けていれば、いずれ花が咲くと思う。
私は、彼女の遅咲きの才能が、そのうち、花開くような気がする。

2025/03/19

スタートアップ&ベンチャーの旅(1)モノヅクリベンチャーズ

2025年3月7日。
私は、マスクをして、朝早く、家を出たが、花粉は、あまり飛んでいないようだった。
しかし、この日は、2月のなかばのような寒さで、マスクを外す気にはなれなかった。

私は、常磐線の上野東京ラインの特別快速に乗った。
途中、京浜東北線に乗り換え、12時近くには、横浜桜木町駅に到着。
ランドマークタワーの高層ビルに入った。

本日の目的地は、テックハブヨコハマ(TECH HUB YOKOHAMA)である。
ただ、ランドマークタワーのビル内にあるのかと思ったら、そうではなかった。
Googleマップで調べると、敷地内の一角にある低層の建物だった。







テックハブヨコハマは、横浜市が支援する起業家向けの施設である。
カフェ、コワーキング、フリースペースなどがある。
私は、受付を済ませ、フリースペースに入った。

私は、ここで午後から開催される、ディープテックフォーラム横浜に参加するため、2時間以上かけて、はるばる来たのだ。

主催者は、株式会社モノヅクリベンチャーズ(Monozukuri Ventures)。
京都に本社を置く、実力派ベンチャーキャピタルで、ディープテックのハードウェアビジネスに投資をしている。
ただし、投資先は、日本ではなく、アメリカで、日本では、大手企業の新規事業開発支援などを手がけている。



(モノヅクリベンチャーズ社外取締役・立命館アジア太平洋大学国際経営学部准教授牧野恵美氏×エネルギー政策・開発戦略アドバイザーChristopher Romans氏)



(株式会社村田製作所執行役員安藤正道氏×モノヅクリベンチャーズ山舗智也氏)


(モノヅクリベンチャーズ代表取締役CEO牧野成将氏)


代表取締役CEOの牧野成将氏と私は、おととし、友人の紹介で、知り合った。
メールでは、やりとりをしていたが、モノヅクリベンチャーズの本社は関西にあるため、関東では、なかなか活動の機会がないといっていた。
しかし、関東圏で、このようなフォーラムを開催することになり、ご招待いただいた、というのが経緯である。

夕方、講演やトークが全て終わり、交流会が始まった。
牧野さんと話した後は、参加者たちと名刺交換をした。
様々な業種の人が来ていて、非常に面白かった。

なお、講演やトークの内容については、モノヅクリベンチャーズのウェブサイトのイベントレポートを参照していただきたい(リンク)。








会場には、もちろん、VCの関係者が多く来ていた。
VCは、投資をするため、まず、リサーチをする必要がある。
なので、自前でアナリストを擁しているところが、多いようだ。
私は、何人かの著名アナリストと知り合うことができた。

私は、彼らに、「司法書士」の名刺を差し出す。
名刺の裏には、「ふと終活のことを考えたら最初に読む本」の紹介が載っている。
私は、名刺の裏を見てくださいと言い、拙著のPRをする。
そうすると、私より年上の人は、終活に興味を示してくれる。
しかし、私は最後に、こう付け加えるのだ。
私はもうすぐ「アナリスト」として新作を出します、と。
これには、名刺交換の相手は首を傾げるが、私が説明をすると、面白そうだ、と言ってくれた。






交流会は、6時過ぎに終わった。
会場を出た私は、スマホの充電をするため、ランドマークタワーのスターバックスへ。
店内は、都内のスターバックスとは違い、広々としており、居心地がとても良かった。

私は、パッションティーを注文し、カウンター席に座った。
今日の登壇者の話をノートにまとめながら、ノートのほか、何冊かの資料も広げた。

横浜のこの辺りの地区は、テレワークに良い所だと思う。
こうして、カフェに来れば、テーブル席もカウンター席も、一定数、空席があるだろう。
各席の間にはスペースの余裕があり、パソコンや書籍なども広げられる。
起業家は、レンタルオフィスを借りるとき、バーチャルオフィスや住所借りだけで十分で、賃料の節約ができそうだ。

もっとも、多少狭くても、レンタルオフィスの共有スペースや、デスクを間借りして仕事をするメリットもあるだろう。
起業家向けのレンタルオフィスには多くの起業家、支援者、投資家などが出入りしており、彼らとの交流の機会が得られるからだ。
先ほどのテックハブ横浜にも、そのようなスペースがあり、起業家のチラシや名刺の置き場所があったり、壁に交流会の張り紙がしてあった。





充電が完了し、9時近くに、私は、スターバックスを出た。
みなとみらいの夜景はキレイだったが、凍えるような寒さだ。
駅に向かって歩くと、海沿いの道で、海風が強く吹いてきて、私の顔を直撃した。
駅前の交差点で信号待ちをしている間は、とくに寒かった。

桜木町駅に着いたときは、すっかり体が冷えてしまった。
京浜東北線に乗り、品川駅へ。
エキュート品川で、あたたかいものを食べようと思ったが、会社帰りのサラリーマンで、どの店も混雑している。
私は、階段をおりて、駅のホームで、上野東京ラインを待った。

すぐそこに自販機がある。
私は、自販機を眺め、温かいコーンポタージュが飲みたくなった。
しかし、よく見ると、ポタージュだけ、売り切れているではないかあ~。。。





寒いとき、温かいスープが飲みたくなり、駅の自販機で、コーンポタージュを買う。
短絡的な行動パターンなのだろうか!(*'ω'*)

私は、駅のホームをしばらく、ほっつき歩いた。
すると、もうひとつ、自販機があった。
こちらには、別メーカーのコーンポタージュがあったので、すぐ買ったが、缶を取り出すと、なまぬるかった。。。

私は、ポタージュの缶を取り出して、ひとり、苦笑いをしてしまった。
実は、自販機のボタンを押す直前、そんな予感がしたのだ。

仕方がない、、、家に帰って、熱くしてから飲もう。





家に帰ったのは、11時頃だった。
ママ殿は、まだ起きていて、リビングのコタツで、テレビのニュースを見ていたが、私が帰ると、すぐご飯の支度を始めた。

私は、ママ殿に、今日あったことを話した。
カバンの荷物の中から、コーンポタージュの缶を取り出し、そのことも話した。
すると、ママ殿は笑って、懐かしいから、その缶を見せてほしいという。

私は、伊藤園と書かれたポタージュの小さな缶を渡した。
すると、ママ殿は少し考え込んで、これは災害時の保存食にちょうどいいので、預かります、と言われてしまった。

ウ~ン、、、意外な展開!
あっためて、飲みたかったのに~(*'ω'*)

しかし、コーンポタージュは取り上げられてしまったものの、出てきた晩ごはんは、焼き立てのハンバーグと、熱い豚汁だった。
伊藤園のコーンポタージュは、また今度にしよう♪


2025/03/16

関東鉄道竜ケ崎線で竜ケ崎に行く









3月14日は、司法書士会の支部研修があり、竜ケ崎に行った。

お昼は、地元のイタリアンレストラン、モンテマーレで、パスタセットを食べた。

オーナーの室さんとは約1年ぶりに会ったが、この日は、ちょうど開業3周年記念だといわれた(*’ω’*)!!

食後は、ローカル線の関東鉄道竜ケ崎線に乗り、竜ケ崎駅へ。

研修会場に行く途中、竜ケ崎市役所の敷地の桜がきれいだった。

2025/03/14

畳の部屋で、姪っ子の犬が気持ちよさそうに寝ている




畳の部屋で、姪っ子の犬が気持ちよさそうに寝ている。

どのような夢を見ているのだろう。

寒い冬が終わり、春になりつつある。

ただ、私にとっては、これから花粉症の季節が始まるのだ。

2025/03/01

とるに足らない雲の力学

2月のある日。
朝のニュースでは、この冬、最も寒くなるといわれていた。
私は、最も厚いマフラーをひっかけて家を出た。

お昼前に、銀座に着いたが、非常に寒かった。
私は、歌舞伎座の方へ歩き、脇の路地を歩き、ギャラリームモンという小さなギャラリーへ。
ギャラリームモンでは、新春恒例のグループ展「鸞翔鳳集 RAN SHO HOU SYU」が開催されており、その案内が来たので、ふらりと立ち寄ったのだ。
その後、4丁目交差点のソニーギャラリーの展示会に行った。
今回の展示会のタイトルは、「とるに足らない雲の力学」。







田凱氏によるこの写真展は、非常に素晴らしかった。
展示されている写真は、平凡な日常の中にある景色だが、解説を読むと、興味深い詩が書かれていた。
私は、立ち止まって考えた。

田凱氏の詩によれば、「それは探し求めるものではなく、 ある瞬間、不意に訪れるもの」だという。
そして、「私はイメージを捕まえない。イメージが私を選ぶのだ」とある。

さらに詩はこう続く。

「都市の喧騒の中で、その手は触れない。むしろ、カメラがそっと撫でるように、 世界を映し取る」「すべては自然に、あちら側からこちらへと、私の内に降り立つ」




以下は、私なりの解釈である。

フォトグラファーの彼が、とびきり美しい女性や芸術的な景色を探し求め、撮影の旅に出る。
しかし、あちこち回って、お目当てのものを捕まえにいくと、なかなかイイ写真がとれない。
そこで、野原に寝転んで、ぼんやり、雲を見上げていると、ある瞬間の雲の形状が芸術的で、彼の理想とする写真にハマっていたりする。

彼は、その雲を見て、感動して、直ちに写真を撮る。
ただ同時に、少しガッカリもするだろう。
明日からは、撮影の旅に出ず、ただ、雲を眺めていればよいのではないだろうか。

勤勉で常に忙しくしている人間より、余裕をもって生きている人間の方が、成果が出てしまう。
意外と世の中、そんなものではないだろうか。





私は、そんな解釈をして、ソニーギャラリーを出た。
エスカレーターをおりて、2階の日産のショールームの窓際で休んだ。
椅子に座り、4丁目の交差点を見おろすと、和光のビルの時計が、ちょうど3時を指すところだった。

まもなく、鐘が鳴り始めた。
私は、これは良いタイミングだと思い、スマホで撮影をした。




その後、往年の名車「ダットサン」の真っ赤な車体に目がいった。
現在の基準では、スタイリッシュではないのかもしれないが、とても、かわいらしい車である。

日産自動車の傑作だ・・・いや、待てよ、、、(*'ω'*)

いま、日産自動車は経営危機で、ホンダとの統合でも、もめている。
経営が火の車なので、ダットサンの赤を展示したのでは?




1階のショールームのフォーミュラカーも真っ赤だった。

私は、その後、向かいの三越へ。
喫茶店を探したが、2階に「ラデュレ」というおしゃれな喫茶店があったのに、それがない。
インフォメーションの女性に聞くと、すでに1年ほど前に閉店した、といわれた。

アレ、、、そうだっけ?(*'ω'*)






私は、三越を出て、銀座駅の地下道を歩いた。
和光ビルの地下の出入口にショーウィンドウがあり、色鮮やかな赤いドレスが飾られていた。
これが、ひときわ、私の目をひいた。
確かに、紺や白のドレスよりも、赤いドレスの方が、女は目立つ。
銀座の待ち合わせでも、人込みの中で、男にすぐ見つけてもらえる。

それにしても、私は、先ほどから、赤いものばかり見かけるが、最近の銀座のテーマカラーは、赤なのだろうか。

その後、私は、スターバックスへ。
あえて、パッションティーを頼んだ。
テーブル席に座り、鮮やかな赤のパッションティーを飲むと、私は、「赤」=「情熱」=「パッション」ということを思った。




しかしながら、先ほどの「とるに足らない雲の力学」は、情熱とは相反する、受け身の極意だと思うのである。
自分から探さず、偶然に身を委ねる。
それは、写真家としての彼の自信の現れなのだと思う。

勤勉で常に忙しくしている人間より、余裕をもって生きている人間の方が、成果が出てしまう。
意外と世の中、そんなものではないだろうか。

白いドレスの美女は探し求めるものではない。
ある瞬間、不意に訪れるものだ。
私は彼女を捕まえない。

私は、いつも、アートに学ばせられる。
私は、受け身でいることにした。

田凱氏の詩によれば、「それは探し求めるものではなく、 ある瞬間、不意に訪れるもの」だという。
そして、「私はイメージを捕まえない。イメージが私を選ぶのだ」とある。

さらに詩はこう続く。

「都市の喧騒の中で、その手は触れない。むしろ、カメラがそっと撫でるように、 世界を映し取る」「すべては自然に、あちら側からこちらへと、私の内に降り立つ」